手術を受けると感度が下がるのは本当か
包茎手術を受ける動機は人によってさまざまですが、よく聞かれるのが「性生活に自信が持てるようになりたい」というものです。
パートナーに自分が包茎であることを知られると笑われてしまいそうだ、と不安を感じ、包茎手術によってその不安を解消したいと考えている人が多いのです。
ところが、インターネットの口コミなどを見ていると、時折「手術後に感度が下がってしまったので、手術を受けたことは失敗だった」などという感想が述べられていることがあります。
これが事実なら、せっかく充実した性生活を送りたいと望んで受けた包茎手術なのに、満足感が下がってしまうのであれば手術は失敗だったということになってしまいす。
包茎手術は、亀頭が正しく露出するように余分な包皮を切除する外科処置です。
したがって、術後は今まで包皮に覆われていた部分が摩擦などの刺激を直接受けるようになります。
ちょっと考えると逆に感度が上がりそうにも考えられますが、果たして包茎手術を行うと感度が下がるというのは本当なのでしょうか。
手術直後の不慣れな感覚が影響している可能性
包茎手術を受けるとペニスの感度が下がるという問題について、2010年代にオーストラリアの学者が包茎手術に関する大量の論文を精査したところ、手術と性生活の満足度に相関関係はないという結論を出しました。
つまり、感度が下がったとしてもそれは手術とは無関係の理由(おそらくは気のせい)だというのです。
この説に対しては反論もなされているので完全に正しいかどうかはまだ結論が出ていないのですが、ただ言えることは、感度が下がったと主張する人の多くは、手術を終えて間もない時期に感想を述べているということです。
したがって、それはあくまでも失敗ではなく、ペニスの状態が以前とは変わったことによる漠然とした違和感に基づいている可能性が高いと言えます。
感度の低下が事実であれば、何らかの形で社会問題化しないはずはありません。
それがネットの口コミレベルにとどまっているところを見る限りでは、個人差はあるかも知れないもののそれほど気にする必要はないと考えられます。
まとめ
包茎手術と感度の低下については、はっきりとした関係は分かっていません。
現時点で言えるのは、手術直後に覚えた「手術前とはどこか違う」という漠然とした違和感がそう思わせているだけで、時間が経てば解消されるのではないかということです。
ただ、技術的な失敗、たとえば神経を傷つけてしまうことによって感度が下がる可能性はないとは言えません。
そうした失敗を避けるには、治療技術に信頼のおけるクリニックを選ぶことが重要です。